Yahooニュースよりー
90代で亡くなられた資産家の方。亡くなる直前に多額の賃貸用不動産を購入し、その購入のために多額の借入金の融資を受けていました。
この資産家が死亡すると相続税は0となり、節税策が成功したかに思われたところ、過度な節税であるとして、国税側と、納税者の裁判で、納税者が敗訴となりました。
ちまたでよく行われている相続税の節税策とは、一般的に不動産の取引価格より、相続税の評価額が低く、さらに貸付用の不動産ですと、評価額がさらに減額されます。
また、建物の評価に至っては、取引価格ではなく、固定資産税評価額というより低い評価で相続税の評価が行われるのです。
一方で金融機関からの借入金はまるまる元本が債務控除として差し引くことができるというワザ・・・これらを利用して相続税の節税が行われるというものです。
しかし、今回のような露骨な節税を目的としていると認められるようなケースでは、相続税評価額を適用するのは不適当であるとして「国税庁長官の指示を受けて評価する」という通達が適用されたわけです。つまり相続税評価額の低い価額ではなく、鑑定評価などのより実態に近い評価額が適正であると判断されたわけです。
私の住む地方都市のような不動産の価格自体が低下している地域と違い、東京などの不動産が投資価値の高い地域での話ではあります。
とは言っても、ここ長野においても資産家の(というか農家が多いですが)高齢者に借入をさせて賃貸アパートを建設させようという動きは相変わらず見聞きします。
私の顧客からもこの手のご相談を受けました。何よりも大事なのは、ご本人とご家族のお気持ちです。そして税務上のメリット・デメリットをご説明します。今のご時勢、借入金の返済を負うことに抵抗がある方も多いです。相続税の節税だけがすべてではありません。