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相続財産ー土地の評価・倍率方式の盲点

相続税を計算するうえで、土地の価額を評価する方法として一般的なものの一つは、毎年国税庁が公表している路線価による方法です。都市部の道路には路線価が大体付されています。

一方で、郊外などの地域は路線価が存在しないところも多くあり、そのような地域の土地の評価方法として、「倍率方式」といって、市町村が定めている固定資産税評価額に、地域ごとに定められた倍率を乗じて算出する方法があります。

 

ちなみに、固定資産税というのは、基本的には3年に1回、(その年を基準年度といいます)評価額を見直し、税額を決定することになっています。ほとんどの場合は、基準年度でない年は評価額もそれに基づく固定資産税も、固定したままなのです。ちなみに令和3年度は基準年度に当たり、評価替えが行われる年です。

 

ですが、市町村によっては、3年に1回ではなく、実情に応じて、毎年評価額を見直しているところもあります。

仮に令和2年9月に相続開始した場合、倍率方式で、令和2年度の課税通知書に記載されている固定資産税評価額に倍率を乗ずるというのは誤りです。

「倍率方式」は、原則的には、「基準年度」の固定資産税評価額に倍率を乗じて・・・と通達では規定されていますから、令和2年度ではなく、直前の基準年度である平成30年度の固定資産税評価額を用いるのが正解です。

しかし実務上は、相続開始した年度の固定資産税評価額を用いて申告をしているケースも多いらしく、そのまま通っていることもあるようです。

 

私の住む地方都市の土地の相続税評価では、倍率地域の土地は農地などの場合が多く、基準年度以外の評価替えはあまりないので、実務で遭遇することはありませんでしたが、最近ご依頼を受けた案件で、首都圏の別荘地をお持ちの方のその土地は、毎年評価替えが行われていました。

ですから、相続開始年だけでなく、基準年度の固定資産の評価証明書も入手する必要がありました。

 

相続税の申告は、本当に1件1件、そのご家族により様々です。