コロナ禍で、ネットで株取引を始めたり、NISAの口座を開設して投資信託を始めたりする人が増えているようです。また、以前からネット銀行に預金口座を持つ方は多くおられます。さらに、電子マネーなど、スマホで決済するケースも増えています。
そうでなくても、ネット銀行の口座は紙の通帳は発行されず、ネットでの証券取引についても紙の通知が郵送されずにネット上で取引が完結しています。
万が一口座を持つ本人が病気になったり、相続が発生したりすれば、まわりのご家族は全くわからず、困ることになります。
私自身、過去に従事した相続税の案件では、亡くなられた被相続人の方が80代90代で、デジタルでの財産は今までは、ほとんど所有されていない方のケースがほとんどでした。なのでご自宅にある証券会社からの郵便物や通帳などから財産を把握することができました。
でも、今後は、このようなデジタル上の財産を所有されている方が増えてくる、現に今も相続手続きの現場では始まっているはずです。それに伴いトラブルも発生していると聞きます。
やはり、生前のお元気なうちに、このようなデジタル遺産について、ご家族で話し合って、対策をしておくのがいいです。例えばUSBなどに記録を残しておくべきと思います。
保有する銀行名、証券会社、その口座のIDやパスワードなどをきちんと記録して、その媒体の保管場所なども相続人となる家族に話しておきましょう。保険についても最近はネットで加入する場合もありますし・・・
また携帯電話やパソコンのロックNoやIDやパスワードも記録しておく必要があるでしょう。最近は何でもスマホに紐づいているケースが増えましたから・・・携帯電話やパソコンを開くことさえできないのも困ります。
つまり携帯電話も亡くなったからと先に解約してしまうと、困ることもあるかもしれません。
過去に経験した相続の案件では、自分の息子や娘に、生前、財産について一切関与させていないご家族のケースもありました。やはりここはお元気なうちに日頃からのご家族間での信頼関係が重要となるようですね。