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小規模事業者が気を付けるべき電子帳簿保存法の改正(電子取引)

令和4年1月より、電子帳簿保存法の改正により新しい制度がスタートします。

小規模事業者が一番影響があると思われるのは、「電子取引」の部分でしょう。

 

基本的に事業者が取引に関して相手から受け取った領収書、請求書などやこちらから相手先に発行した請求書や領収書等の書類は、保存義務があります。(まれに新規の依頼のお客さんで、書類を一切保管していないという方もおられて驚愕したこともありますが・・・)

このようなあらゆる取引情報を電子取引により授受した場合には、書面に印刷するのではなく、この電子データのまま保存しなければならなくなりました。

**令和5年12月までここの部分の規定は2年間の猶予期間となりました。令和6年1月からの開始です**

(2022.5.2加筆)

「電子取引」とは、電子メールによる請求書等の送付の場合や、ウェブ上で請求書等をPDF等にダウンロードする場合などいろいろです。

例えば、私自身、携帯電話の請求書はスマホからその携帯会社のマイページにログインし、PDFでダウンロードしています。また、ネット通販などで購入した場合も、ネット上で領収書等が発行されるはずですから、ダウンロードするようにします。今後はそのダウンロードしたものを印刷して保存するのではなく、一定の要件でデータのまま保存をしないといけません。

その一定の要件とは、相手先ごとや期間ごとなどの規則性のあるフォルダなどに格納する。訂正削除ができないよう又は訂正削除の履歴がわかるようにする。「事務処理規定」を設定しておく。(国税庁HPにひな形がありダウンロードできます。)などですから、いくつか定めておけばハードルはさほど高くないでしょう。

 

今回の改正では、電子的な保存の要件を満たさずに保管している場合や、電磁的記録に代えて書面で保存している場合は「保存すべき電磁的記録の保存が無かったもの」として、青色申告が取消される可能性もあるとして、厳しめな感じです。

 

一方で、消費税の仕入税額控除の適用に当たっては、インボイス制度開始後においても、引き続き書面での保存でも適用を受けることができるとなっています。

一体、今後、税務調査の現場では、どのような対応になるのでしょうかね?調査官も税理士も頭を悩ませそうです。